「コンサル」と「家庭教師」の違い

「経営者の家庭教師」という肩書きを名乗るようになって、よく聞かれることがある。「コンサルタントとどう違うのですか?」という問いだ。

答えは単純ではないが、一番近い表現を選ぶとすれば——一緒に考えるかどうかの違いだと思っている。

コンサルタントは、課題を診断し、解決策を提示する。それは間違っていない。しかし中小企業の経営者が本当に必要としているのは、「正解を教えてもらうこと」よりも、「自分が正しく考えられているか確かめる場」ではないだろうか。

家庭教師は答えを教えない。一緒に問題を解きながら、生徒が自力で解けるようになることを目指す。経営者との関係も、それに近い。

伴走という言葉の意味

「伴走」という言葉がある。近年よく使われるようになった言葉だが、私が意識するのは、そのペースだ。

走るのは経営者自身である。私はその隣を、同じ速度で走る。遅れそうになったら声をかける。迷ったときは地図を広げる。しかし、走るのを代わってあげることはできない。

それが「家庭教師」の仕事だと考えている。

1998年から見てきたもの

起業して20年以上が経った。その間、中小企業の経営者と数多く向き合ってきた。課題の形は時代とともに変わる。かつてはシステム導入の相談が多かった。今は生成AIをどう経営に使うかという問いが増えている。

しかし、根本にある問いは変わらない。「自分の会社はこれでいいのか」という、経営者の静かな問いかけだ。

その問いに、正直に、丁寧に向き合い続けること。それが私の仕事の本質だと思っている。